futureshop形式の受注CSVや納品書・注文票設定に追加される「按分値引き」と「標準税率優先値引き」の違いは何ですか?

※消費税法改正について新しい法律内容に関するご質問や、
 「按分値引きと標準税率優先値引きのどちらを使えばよいか?」というご質問に対して、弊社サポートが回答することはできかねます。
 消費税および納税に関するご質問につきましては、税理士もしくは税務署にご相談くださいますようお願いいたします。

 


 

按分値引きとは

税込合計金額(送料や手数料を含む)を基準に、標準税率10%の金額と軽減税率8%の割合を算出し、
その割合に応じて消費税率別の値引き額(割引き額)を決定します。

 

標準税率優先値引きとは

標準税率10%の金額からまず値引きを行い、値引き額が残っている場合に軽減税率8%の金額からも値引きを行います

 

なお値引き計算の設定を、注文ごとに変更することはできません。全受注共通設定となります。
設定欄は 運用メニュー>受注管理>納品書・注文票設定>消費税内訳表示の値引き計算設定 となります。

 

futureshopの消費税計算例

本記事では以下画像の注文内容をもとに計算します。
(ポイント付与率は3%、消費税設定の端数計算は「切り捨て」を選択しているものとします。)

 

「按分値引き」を利用している場合の消費税計算について

上記画像において、送料や決済手数料を含む1番が標準税率10%対象金額、2番が軽減税率対象金額となります。

計算1:按分の基準とする金額を算出するため、それぞれの税率別合計金額を計算します。

標準税率10%対象金額 1,100+550+500+330=2,480円

軽減税率8%対象金額  3,240円

計算2:税率別合計金額をもとに標準税率10%分の値引き額適用割合を出します。

2,480÷(2,4803,240)=0.4335=43.4%

※按分は各種値引き前の金額で計算する仕様のため、割合を求めるときには2,480+3,240を母数に用います。

※小数が発生する場合、小数点第9位切り捨てです。

計算3:「100%-標準税率合計金額に適用している値引き割合」で軽減税率8%分の値引き額適用割合を出します。

100-43.4=56.6%

計算4:消費税計算では各種値引きをまとめて計算するため、クーポンとポイント値引き額を合算します。

クーポン値引き500円+ポイント利用額500円=合計値引き額1000円

計算5:按分した値引き後請求金額を算出します。

値引き合計額1000円の43.4%は434円であるため、
標準税率10%の値引き後請求金額は、按分の結果、2,480-434=2,046円(税込)

値引き合計額1000円の56.6%は566円であるため、
軽減税率8%の値引き後請求金額は、按分の結果、3,240-566=2,674円(税込)

計算6:税率別消費税額を算出します。

標準税率10% 2,046×10÷110=186 消費税額186円

軽減税率 8% 2,674×8÷108=198.0 消費税額198円

※小数が発生する場合、小数点第1位切り捨てです。

 

「標準税率優先値引き」を利用している場合の消費税計算について

上記画像において、送料や決済手数料を含む1番が標準税率10%対象金額、2番が軽減税率対象金額となります。

計算1:標準税率10%の合計金額を計算します。

標準税率10%対象金額 1,100+550+500+330=2,480円

計算2:消費税計算では各種値引きをまとめて計算するため、クーポンとポイント値引き額を合算します。

クーポン値引き500円+ポイント利用額500円=合計値引き額1000円

計算3:標準税率10%の合計金額に、値引き合計額を優先適用します。

2,480円-1000円=1,480円

今回の例では値引きの残額が発生しないため、軽減税率合計金額に対する値引きはありません。
(仮に値引き合計金額が1,000円ではなく3,000円だった場合、残額の520円を軽減税率合計金額3,240円から減算します。)

計算4:税率別消費税額を算出します。

標準税率10% 1,480×10÷110=134.5 消費税額134円

軽減税率 8% 3,240×8÷108=240.0 消費税額240円

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